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2020JリーグYBCルヴァンカップ Dグループ第1節
日時:2月16日(日) 15:03キックオフ
会場:Shonan BMW スタジアム平塚

湘南ベルマーレ 1-0 大分トリニータ

昨シーズン、幾多の試練と逆境を乗り越えてJ1リーグ残留を果たしてみせた我らが湘南ベルマーレ。
昨年10月に急転直下の状況の中で監督に就任し、空中分解寸前のチームを巧みな手腕を発揮してJ1残留に導いた浮嶋敏(うきしま・びん)監督が今シーズンも引き続き指揮を執ることとなり、

「PROGRESSION -前進-」

というスローガンを掲げ、ベルマーレ平塚から湘南ベルマーレに変わって20年、積み上げてきた過去・現在・未来に向かって前進しようという前向きなエネルギーが発信されている今年の湘南ベルマーレなのであります。

前向きはさておき、東京五輪が開催される影響もあって、オリンピックイヤーのサッカーシーズンはベルマーレも2018年にタイトルを獲得したJリーグカップからスタートすることになりました。
生憎の雨模様の中、ベルマーレはホーム平塚に昨年のJ1リーグで2戦2敗と相性の良くなかった大分トリニータを迎えての1戦に臨みます。

湘南ベルマーレの先発メンバー
(名前の後ろの"新"は新加入選手)

GK 1 富居 大樹(とみい・だいき)
DF 22 大岩 一貴(おおいわ・かずき)新
  4 坂 圭祐(さか・けいすけ)
       8 大野 和成(おおの・かずなり)
MF 38 石原 広教(いしはら・ひろかず)新
      14 中川 寛斗(なかがわ・ひろと)
    15 福田 晃斗(ふくた・あきと)新
      19 舘 幸希(たち・こうき)新
        3 馬渡 和彰(まわたり・かずあき)新
FW 11 タリク 新
  20 岩崎 悠人(いわさき・ゆうと)新

先発11人のうち、半分の5人が新加入の選手たちというフレッシュな面々で挑んだベルマーレ。シーズン前のスペインキャンプで磨いた3-5-2の布陣を敷き、昨シーズンJ1昇格組でありながらもリーグ戦一桁順位でフィニッシュした大分にある程度の時間はボールを持たれても、これまでのベルマーレの特徴だった速いリズムでの攻撃だけでなく、ボールを保持しながらの"前進"する姿勢を見せて、試合の流れをつくり上げる戦いを展開し、前半45分を終了させます。

後半に入ると、前半は少し押され気味だったベルマーレが徐々に押し込む展開に進みます。
現役ノルウェー代表のタリク選手と東京五輪代表候補の岩崎選手の2トップがスピード感溢れるプレーで前線から相手選手を追いかけ回し、J2のチームへの武者修行を経て帰ってきた石原広選手は右サイドで激しい上下動を繰り返し、新加入選手でありながらこの日のキャプテンマークを託された福田選手は中盤を安定させるプレーを随所で披露、大卒ルーキーの舘選手は粗削りな部分がありながらもとにかく身体を張って走り続ける、など、新たに加わった選手たちがそれぞれの良さをサポーターたちにアピールします。
福田選手、舘選手と中盤を形成した身長155センチのJリーグ最小プレーヤー、中川選手も気の利いたプレーを連発してチームを支えました。

後半15分、ベルマーレがこの日最初の選手交代を行います。
2トップの一角の岩崎選手に変わってピッチに投入されたのは、ベガルタ仙台から新加入、いや、ベルマーレに"帰ってきた"、石原直樹(いしはら・なおき)選手。
2003年に高卒でベルマーレに加入し、2008年のJ2リーグで18得点を叩き出して"湘南のエース"として絶対的な存在を確立しながらも、その年のオフにJ1のチームに引き抜きにあって完全移籍。
当時経営難にあっていたチームが石原直選手の移籍金で赤字を補填できたという孝行息子エピソードが今でも語り継がれているほど、ベルマーレサポーターがその帰りを待ちわびた石原直選手の登場で、少し湿り気味だった雰囲気のスタジアムが盛り上がりを見せます。

その石原直選手はベルマーレに帰ってくるまでの12年間でJ1のチームを渡り歩き、この日も豊かな経験に裏打ちされたプレーを見せて前線で躍動。
今回同じタイミングでベガルタ仙台からやってきた大岩選手とのコンビプレーでチャンスをつくるなど、徐々に得点の予感を感じさせます。

さらに攻勢を強めたいベルマーレは、タリク選手に変えて梅崎司(うめさき・つかさ)選手、舘選手に変えて山田直輝(やまだ・なおき)選手といった、攻撃にアクセントをつけられる選手を次々に投入して、ホームゲームの勝利を狙いに行く態勢を整えます。

0-0のまま試合を終えるかと誰もが思った後半45分、ついに試合が動きます。
大分陣内でフリーキックを獲得したベルマーレは、正確な右足のキックが持ち味の馬渡選手がキッカーを務め、馬渡選手が大分ゴール前へボールを送ります。
このボールは大分ゴールキーパー高木駿選手がキャッチ…したかと思いきや、雨が降っていた影響で高木選手の身体からボールがこぼれて、近くにいた坂選手が素早く反応。
坂選手のプレーを防ごうとした高木選手がペナルティーエリア内で反則を犯し、ベルマーレが土壇場でPKを獲得。

スタジアム中の視線がペナルティースポットの1点に集中する中、このプレッシャーを実力と目に見える結果に大きく変えてみせたのは途中出場の梅崎選手。人生経験豊富で来週23日に33歳になるベテランアタッカーはこのPKを難なく決めてみせ、土壇場でベルマーレが試合の均衡を破ります。

ベルマーレが先制点を挙げた直後のキックオフ、浮き足だったホームチームの気の緩みをついた大分が決定機を創り出しますが、シュートを打った三平和司選手には選手会長の大野選手が身体を寄せて満足なシュート体勢をとらせず、ボールはこの試合で何度も好セーブを見せていた富居選手の胸に力なく収まり、ピンチを凌ぎます。

今後に向けての課題と反省はあったものの、1-0の僅差で2020シーズン最初の試合を白星で飾った浮嶋監督率いる湘南ベルマーレ。
試合終了後には、ベルマーレが勝った時に行われる"勝利のダンス"で選手とサポーターが喜びを分かち合い、程よい緊張感を持って新しいシーズンが始まった、そんな空気が漂っていたShonan BMW スタジアムでありました。

これからまたホームゲームが2試合続き、21日の金曜日にはJ1リーグのオープニングゲームとなる浦和レッズ戦が、26日の水曜日にはルヴァンカップのグループステージ第2節の柏レイソル戦が開催されます。

例年とは違った形ではありますが、今年もまたサッカーシーズンが到来を迎えました。
ベルマーレが今後どのような形で前進するのか、ベルマーレ戦士たちそれぞれがどんな形で未来を切り開いていくのか、今年も様々な発見が見られる楽しさと期待感を持ってベルマーレをサポートしていきたいと思いますので、本年もどうぞよろしくお願いします!

この記事を読んでベルマーレに興味を持たれた方は是非スタジアムへと足を運んでみてください!

J1リーグホームゲーム:2月21日(金) 19時00分 vs浦和レッズ@Shonan BMW スタジアム平塚

ルヴァンカップ次回ホームゲーム:2月26日(水) 19時00分 vs柏レイソル@Shonan BMW スタジアム