Jリーグヤマザキナビスコカップグループステージ第7節
日時：６月５日（日）１４時０４分キックオフ
会場：とうほう・みんなのスタジアム
湘南ベルマーレ ０－２ ヴィッセル神戸
２０１１年3月１１日に東日本大震災が発生しました。その後しばらく、放射能の問題から福島県内の子どもたちは外で遊べない状況となってしまいました。当時の福島ユナイテッドＦＣの選手兼コーチだった時崎悠コーチが元湘南ベルマーレの選手だったこともあり、外で遊べない子どもたちにそういう場を与えてほしいという支援要請が湘南ベルマーレにありました。そこで湘南ベルマーレは「ＫＩＤＳ ＧＵＡＲＤ ＳＨＯＮＡＮ」と題してゴールデンウイークや夏休み期間に福島を中心とした東北地域の子どもたちを湘南地域に招待し、外で思いきり遊んでもらおう、サッカーを楽しんでもらおう、という東北地域への支援活動を開始して現在まで続けてきました。２０１３年には湘南ベルマーレと福島ユナイテッドＦＣは業務提携も始めたこともあり、まだ１回もＪ１公式戦が開催されていない福島県でぜひ開催したいという湘南ベルマーレの強い希望もあり、湘南ベルマーレのホームゲームを福島県で開催するという運びになりました。
本当のＪ１を福島の方々に体験してもらいたい。その気持ちはサポーターもクラブと同じでした。試合そのものだけでなく、雰囲気もＪ１を体験してもらいたいという思いで、多くの湘南ベルマーレサポーターが福島の地へ駆けつけました。また残念ながら現地に赴くことができないサポーターもシーズンチケットを福島の子どもたちの招待へと寄付をしました。また、サポーター協議会では「赤べこ」の湘南ベルマーレバージョンを販売して、その利益を同じように福島の子どもたちの招待へと寄付しました。メインスポンサーの企業も福島県内の小学生を招待しました。こうしてクラブだけでなく、多くの湘南ベルマーレに携わる人々によって、福島開催を実現することができたと思います。
試合は今季加入したＭＦ山根視来選手や福島ユナイテッドＦＣで武者修行をしていた田村翔太選手が積極的にサイドを攻め上がり、いい流れを作ります。しかしながら、攻め込むもののゴールが奪いきれない湘南ベルマーレに対し、３７分にヴィッセル神戸がチャンスをきっちりと活かして先制します。
後半には高校生ながら二種登録されたばかりのＤＦ石原広教選手を投入。若い力で同点、逆転を狙いに行きます。特に積極的だったのが、ＭＦ齊藤未月選手。クロスバー直撃のシュートを放つなど、積極的にヴィッセル神戸ゴールを脅かします。しかしゴールが奪えないまま時間は過ぎていき、９０+１分にヴィッセル神戸ＭＦ藤田直之選手に豪快なミドルシュートを決められてしまい、そのまま敗戦となってしまいました。
福島の子どもたちと一緒に勝利のダンスを踊りたい、というサポーターも思いは叶いませんでした。しかし、福島でＪ１公式戦を湘南ベルマーレが開催する意義というのは、福島の方々にも伝わったのではないかな、と思います。また、違う災害ではありますが同じ「被災者」という立場でもあるヴィッセル神戸のサポーターも福島まで駆けつけてくれました。本来ならば平塚まで来ればいいところを、さらに約４００ｋｍ遠くまで来てくれました。本当に感謝の気持ちしかありません。その感謝の気持ちを込めて、湘南ベルマーレサポーターは試合後にヴィッセル神戸コールをしたところ、ヴィッセル神戸サポーターはベルマーレコールと福島コールを返してくれました。それに続いて、湘南ベルマーレサポーターも福島コールと福島ユナイテッドコールを。湘南ベルマーレサポーターにしてみれば、試合結果は残念なものでしたが、いい雰囲気で福島のスタジアムを後にすることができました。
これで湘南ベルマーレにとってはナビスコカップも終了し、リーグ戦に専念するのみとなりました（天皇杯がありますが...）。前節で今季ホーム初勝利を飾った湘南ベルマーレは、６月にはホームＳｈｏｎａｎＢＷＭスタジアム平塚で１試合しか試合がありません。相手は１９９４年に一緒に昇格したジュビロ磐田です。なかなかスタジアムで観戦された方の期待に応えることができていない湘南ベルマーレですが、スタジアムに雰囲気がとてもよかった名古屋グランパス戦では勝利することができました。湘南ベルマーレの選手たちはがんばってプレーしています。ぜひＳｈｏｎａｎＢＷＭスタジアム平塚へお越しください。スタジアムで湘南ベルマーレの選手たちを後押ししてください。最高のスタジアムの雰囲気を作り出して選手と一緒に勝利を掴み取りましょう。
次回ホームゲーム：６月１８日（土）１９時００分 ＶＳジュビロ磐田＠Ｓｈｏｎａｎ ＢＷＭ スタジアム平塚
Ｊリーグ１ｓｔステージ次節：６月１１日（土）１４時００分 ＶＳガンバ大阪＠吹田サッカースタジアム
市民記者：原田 昌義（平塚市在住）
