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2018JリーグYBCルヴァンカップ 準決勝第2戦
日時:10月14日(日) 16:03キックオフ
会場:Shonan BMW スタジアム平塚

湘南ベルマーレ 2-2(PK 5-4) 柏レイソル

J1リーグ戦の合間に縫って行われるJリーグ YBCルヴァンカップの準決勝に22年ぶりに進出を決め、クラブ史上初のJリーグカップ優勝に向かって勢いよく闘い続ける我らが湘南ベルマーレ。

10月10日の水曜日にアウェイ柏の地で行われた準決勝第1戦、ベルマーレは試合開始1分で先制点を献上しますが、前半9分にMF菊地俊介選手が右足で放ったミドルシュートが柏ゴールに華麗に突き刺さり、第1戦は1-1の引き分け。

中3日で迎えた第2戦、先手を取ったのはホームのベルマーレ。
前半28分、ベルマーレは左サイドから攻撃を展開し、最終ラインからDF大野和成選手が攻撃参加。
FW梅崎司選手からのパスを受けた大野選手がペナルティーエリア内へ侵入し、ゴール前へラストパス。このボールは柏の選手にクリアされるも、こぼれ球を拾ったMF石川俊輝選手が左足で狙い澄ましたシュートを放ちます!
このシュートが柏レイソルのゴールネットを揺らし、ベルマーレが決勝進出に一歩近づく先制点を挙げます。

後半に入ってもスコアは変わらず、1-0のまま。
ベルマーレのクラブ史上初の決勝進出が見えてきたか?…という雰囲気が漂いましたが、後半25分に柏レイソルに一瞬の隙を突かれ、最後はMF大谷秀和選手にゴールを許し、同点に追いつかれます。

その後も両チーム共に決め手を欠き、1-1のスコアで後半が終了。
準決勝の2試合を終えての合計スコアは2-2。
アウェイゴール(2試合の合計スコアが並んだ場合、アウェイで決めたゴールの数を優先するルール)の数も並んだ為、前後半合わせて30分の延長戦を行うことになりました。

延長前半3分、ベルマーレは敵陣でフリーキックを獲得。
梅崎選手からの短い距離のパスを受け取ったMF杉岡大暉選手が得意の左足でゴール前へボールを送ると、前線へ攻撃参加していたDF坂圭祐選手が頭で押し込み、この試合2度目のリードを奪います!

ベルマーレと同じように決勝進出を諦めない柏レイソルも延長後半8分、DF小池龍太選手が右サイドを馬力溢れるドリブルで駆け上がってゴール前へボールを送り込むと、最後は途中出場のFW山崎亮平選手が右足で正確に合わせたボレーシュートを決めて、再び追いすがります。
延長戦の前後半を終えてスコアは2-2。
延長戦でも決着はつかず、勝負はPK戦へ持ち越されます。

ホームのベルマーレが先攻、アウェイのレイソルが後攻で始まったPK戦、2人目を終えてベルマーレは杉岡選手、FW山﨑凌吾選手が、レイソルはFWクリスティアーノ選手、DF中山雄太選手がそれぞれキックを成功させます。

ベルマーレの3番目のキッカーはここまでルヴァンカップでチームトップの4得点を挙げて、今やチームに絶大な影響力を与えているFW梅崎司選手。経験豊富な梅崎選手のキックは無情にもゴールの枠を外れてしまいます。

レイソル3番手のMF手塚康平選手、ベルマーレ4番手のDF坂圭祐選手が2人連続でキックを成功させましたが、レイソルの4番手のキッカー、MF江坂任選手のキックはクロスバーを直撃。
ベルマーレのMF金子大毅選手、レイソルのDF鈴木大輔選手のそれぞれの5番手キッカーがキックを成功させ、両チーム5人ずつPKを蹴ってスコアは4-4。
ここからは外したら負け、のサドンデス方式に移ります。

ベルマーレの6番手はこの試合で途中出場を果たし、延長前半の得点に繋がるフリーキックを獲得したチームキャプテンのFW高山薫選手。
高山選手の迷いなきキックがレイソルGK滝本晴彦選手の両手をかすめてゴールネットを揺らします。

レイソルの6番手のキッカーとして出てきたのは延長後半に貴重な同点ゴールを決めた山崎選手。
ベルマーレはチームの絶対守護神のGK秋元陽太選手が相手のキックに向けての準備を行います。

すると、それまでは秋元コールで後押ししていたベルマーレサポーターが秋元選手のチャント(応援歌)を歌い出し、スタジアムは“一緒に勝ちに行くぞ、秋元!!!”というムードに包まれ、ベルマーレサポーターが奏でる大音量の秋元チャントが秋元選手の背中を大きく大きくサポートし、12番目の選手たちが試合を動かしにかかります。

秋元チャントが歌い終わってから数秒後、山崎選手のキックはゴールの枠から外れてしまいました。

この瞬間、ベルマーレはクラブ史上初めてのJリーグカップの決勝進出を決めました。

チームの守護神としてゴールマウスを守り続けた秋元選手が子供のように走り回って豪快なガッツポーズを炸裂させれば、キックを失敗した責任を味わいながらもチームメイトの大きな助けに支えられて決勝に行けたという実感からか、膝を落として泣き崩れる梅崎選手。

ピッチの上での喜び方も様々でしたが、スタンドから闘いを見守っていてサポーターも歓喜の喜びに包まれている人、プレッシャーから解放されて泣いてる人、その反応は人それぞれでしたが、ベルマーレに関わる全ての人たちが報われた瞬間でした。

記事を書いていながらも、試合の記憶を呼び起こせば目頭が熱くなってしまいます。
それだけの熱量をもたらしてくれる試合をベルマーレは展開してくれました。

ベルマーレは決して強いチームではありません。
10年以上前まではJ2リーグの下から数えて3番目の順位に落ちたこともありました。
目の前で相手チームのJ1昇格を数回、J1優勝を決められたこともありました。

しかし、ベルマーレはどんなことが起きても自分たちのスタイルをブレることなく貫き、ついにはJリーグカップの決勝へ進出できるチームに成長しました。

自分の人生の一部、いや、日常の生活の中にベルマーレがあって本当に良かった。
心からそう感じているし、これからも思い続けることでしょう。

J1リーグの残留争いにまだ身を投じている最中なのでリーグ戦に気持ちを切り替えていくのはもちろんのことですが、これからの闘いに向けて自信がついたことは間違いないと思います。

やって出来ないことはない、挑み続けて頑張り続けたその先に素晴らしい結果が待っている、ということを実感出来たはずですから。

次回のホームの札幌戦(J1リーグ戦)には是非ともスタジアムへ足を運んでいただき、厳しい残留争いに身を投じているチームを後押ししてもらいたいと思います。

そして、その翌週はルヴァンカップ決勝の横浜F・マリノス戦です。
試合はフジテレビ系列で全国ネットでの生中継かつJリーグカップの決勝戦ということもあり、普段より多くのサッカーファンの注目を集める試合となります。

地域とクラブの誇りを胸に闘い、“てっぺん”を奪うであろう選手たちの一挙手一投足に注目して、応援してくれたら嬉しいです!!!

次回ホームゲーム:10月20日(土) 16時00分 vs北海道コンサドーレ札幌@Shonan BMW スタジアム平塚

ルヴァンカップ決勝:10月27日(土) 13時05分vs横浜F・マリノス@埼玉スタジアム2002
サポーター記者:佐々木 駿